面接官に与える影響-転職回数の限度はあるのか?
面接官に与える影響-転職回数の限度はあるのか?
日本の雇用形態は終身雇用が一般的だったために、長いあいだ転職をしたというだけでマイナス評価になるという傾向がありました。
転職をするだけで「本人に問題があったのだろう」「前の職場で問題を起こしたのではないか」「適応能力に問題があるのではないか」というような見方をされてしまうケースも見受けられました。
しかし企業内において終身雇用という形が崩れ、転職者を雇用し管理職に就けるという企業も増えてきており、転職をする人の数も増え転職者への見方は大きく変化しています。
確かに転職をしているというだけで差別的に見られてしまうことはなくなりましたが、転職の回数が過度に多いとマイナスになることもあります。
では転職の回数に制限はあるのでしょうか?
■マイナス評価に変わる転職回数
現在多くの企業では、新入社員を雇うだけではなく、即戦力となる人員の獲得にも力を入れており、こうした人材をすぐに役職に就けるというケースも増えています。
特に積極的に獲得しているのは、同業種や類似している業界からの転職者であり、こうした人材の場合には転職回数はあまりマイナス評価にはならず、経験が豊富な人材という評価になります。
例えばホテル業界であれば、同じホテル業界で働いていた人材であれば転職回数を気にしないというケースもありますし、家電量販店であれば類似した業種である飲食店やホテル業界などで経験のある人材を積極的に雇用しているケースもあります。
ではその業界の経験がない場合はどうでしょうか?
20代や30代の転職ということであれば、2、3回の転職であれば大きな問題として捉える企業はほとんどないでしょう。
しかし選んでいる職種や業種が毎回異なり、1年や2年で転職を繰り返し、合計の転職数が5回など多い場合などは、企業側も当然「なぜ?」「何がしたいのか?」という疑問を持つ事になります。
つまり転職の回数も大切ですが、「転職した理由」の方が重要になってくるという事です。
そのため転職時の面接では必ず「なぜ転職を複数回繰り返しているのか?」という質問を受けることになります。
ここで、転職理由をどのように説明するのかで、面接の結果は大きく変わってきます。
■転職理由がプラスになる返答
転職が同業種や類似している職種内である場合、その転職への企業の見方はポジティブなものになります。
特にそれぞれの職場での立場がステップアップしている場合には、職歴を見るだけでも企業側は良い印象を受けている可能性が高いでしょう。
ですからなぜ転職をしているのかという質問には「キャリアアップのための転職」であると返答することができます。
その際には、それぞれの職場でどのような異なるキャリアを積んできたのかということを論理的に説明するなら、計画的に転職を行っている事を証明できます。
さらに「これまでのキャリアアップを全てこの会社で発揮し、こちらを最後にしたいと思っている」という事を説明するなら、今後の転職の可能性は低いと感じ面接官も安心するでしょう。
たとえ良い人材であったとしても、次のステップアップのために辞めてしまう可能性があるのであれば、採用には至らないケースもあります。
同じ業種の中での転職の場合には、他にも面接官へプラスのイメージを与えることもできます。
仮に前の職場を辞めたのが人間関係などの理由だったとしても、同じ業種を選んで転職しているということは、この業界から離れる意思はないという印象を面接官に与えることにもなります。
ですから、やはり転職自体がマイナスのイメージに繋がるわけではないわけです。
■転職理由としてプラスにならない返答
転職回数が4,5回という場合には、それだけでも面接官へのイメージがマイナスになることもあります。
ですから仮に転職の回数が異業種で4,5回行われている場合には返答にはより注意しなければなりません。
返答として避けたいものは以下のような返答です。
「入社した後に企業がブラックだと分かったから」
「実際に仕事をしてみたら自分に向いていないと感じた」
「病気になってしまって続けられなかった」
「給料に不満があった」
「上司の揉めた、同僚とのトラブル」
こうした返答の場合には、もし入社したとしても同じような理由で辞める可能性がある人物という印象を与えることになります。
面接官が見ているのは、どれくらい長く働いてくれるのか、熱意がどれくらいあるのか、人間性はどうかという事です。
先程の返答の場合は、「トラブルが起きると辞めてしまう」「給料に満足できないと辞める」「自分の好きな仕事以外は長続きしない」「体調をよく崩す人」というイメージを抱かせます。
例え事実であったとしてもあまりにも正直に答えてしまうなら内定を得ることは難しくなってしまいます。
ですから転職の理由は非常に重要になるので、どのように答えるかあらかじめよく考えておくようにしましょう。