面接中と面接後が分かれ道!転職の成功と失敗
採用か不採用かを分けることになる面接。この大事な面接を突破できる人はどのような特徴を持っているのでしょうか。多くは、喋りが上手でハキハキとしたトークスキルを持っている人、と思うのではないでしょうか。確かに、声が小さく何を言っているのか聞き取りにくい人よりは有利になるでしょう。
しかし、話し方のみで決まってしまうほど面接は甘くはありませんし、採用担当者もバカではありません。
ここでは面接を受ける前に知っておくと使える、賢い転職へのステップをまとめてみました。ぜひ参考にしてください。
転職に失敗しないための面接術
人材を募集している企業は、なぜ面接をするのか考えたことはありますか。もちろん話すのが好きでトークの上手な人を探しているわけではないことは誰もが知っています。
企業の利益を上げるための新しい人材を探しているのです。時にトークスキルとリンクする場合もありますが、必ずしもそこにのみ着目して採否を決定しているわけではありません。
話し方よりも内容に重きをおくべき面接対策
面接において話し方が大事であることも否定はしませんが、それよりも内容に重きを置いて面接対策を行った方が有意義です。多少は話が上手くないと思われても仕事ができる人だと思われれば、十分にカバーすることが可能です。
逆に言えば、いくら話が上手くても口ばかりで手や足を動かさないような人は採用されないということ。多くの企業は、一生懸命働いてくれる人を探しているのです。
では、面接対策で語るべき「内容」とは何でしょうか。
応募する業種や職種にもよりますが、しかし全てに共通しているのは、面接官や採用担当者の投げかける質問にどれだけ答えることができているかです。話すのは上手いけど質問の趣旨とは関係のない話ばかりをする人。話すのはあまり上手くはないけれども質問に丁寧に答え、説得力のある人。どちらのほうが企業にとって好ましく映るでしょうか。後者の方が断然に有利です。
大切なのは、面接担当者の質問の意図を汲み取り、適切に答えること。何を聞き出したいのかを探り、求めている答えやそれ以上の答えを提供すること。これができれば、転職に成功する可能性がかなり高くなるはずです。
人材紹介会社を利用することでクリアできる問題
面接対策は、個人でもできます。自ら転職サイトで求人を探し、応募し、面接を経て採用される人もいます。しかし、もし失敗を最小限に抑えたいのであれば人材紹介会社に登録することをお勧めします。
人材紹介会社はその名の通り人材を探している企業を求職者に対して紹介してくれるサービスを行っています。それ以外にも転職活動の最初から最後までサポートしてくれるという特徴も持ち合わせています。つまり、求人を紹介して終わりではなく、採用に至るまでの、例えば応募書類の書き方や面接での受け答えなどに関するアドバイスもしてくれるのです。
もし面接に不安を抱いている人がいれば、より人材紹介会社の利用は有意義なものとなるでしょう。転職エージェントとも表現されますが、こうしたところのコンサルタントやアドバイザーと呼ばれるスタッフは、紹介する企業の情報もしっかりと持ち合わせています。どのような人材を企業が欲しているのかといった好みも把握しているため、それに合わせた面接のアドバイスを与えてくれます。
個人で企業研究をしたとしても、わからないことは多々残っているはず。そのわからないことが面接でのアピール不足に直結することは少なくありません。人材紹介会社を利用することでこの問題はクリアすることができるでしょう。
さらに、どのような伝え方がベストなのか、こうしたアドバイスもしてくれるのが人材紹介会社のコンサルタントです。面接では表現が少し異なるだけで伝わり方も違ってきますが、そうした点も事前に把握できていた方が採用の可能性が高くなるのは当たり前。
本当に必要な面接のための準備を、人材紹介会社を利用することで構築することができるのです。
仮に面接で落とされてしまったとしても、どこに問題があったのか、これを客観的かつ冷静に分析することが可能となるのも人材紹介会社を利用しているメリットのひとつ。自分一人では見つけられない問題点をキャリアコンサルタントとなら、きっと次に生かすことができるに違いありません。
このように、転職エージェントを利用することにはメリットが山ほどあることを理解しておきましょう。その上で利用しないと決めているのであればそれは個人の自由ですが、ちょっとしたことで転職の成功率が上がるのであれば、やれることは全部やっていきましょう。
応募書類と面接の対策で転職が成功した例
転職を考え始めたAさんは、転職サイトを利用して応募先を見つけました。求人票に書かれた内容で企業を比較し、応募していたのですが、面接をクリアすることができません。
もともと話すことには自信がなかったAさんですが、面接でどう答えたらいいのかわからなかったり、質問に対する適切な答えが口から出てこないことに徐々に不安は増していく一方でした。もしかしたら、この話術がない自分は転職などできないのではないかと思い始めたのです。
そんな時に知ったのが転職エージェントの存在でした。転職サイトとさほど変わらないのだろうと思いつつも登録し利用をスタートさせたAさん。しかし、普通の転職サイトとは異なり、キャリアコンサルタントに相談することが可能な転職エージェントです。
Aさんはこれまでの自身の転職活動について相談し、応募書類に関してもアドバイスを求めると、キャリアコンサルタントは即座に問題点を指摘してくれました。
読みにくく伝わりにくいという特徴を持っていたAさんの応募書類は、キャリアコンサルタントのアドバイスによって、ずっと魅力的なものに変わっていったのです。
また、Aさんが不安を抱いていた面接に関しても転職エージェントのキャリアコンサルタントは親身になってアドバイス。求人からはなかなか見えてこない企業の情報を事前に教えてもらったり、想定される質問の答え方などを伝えてもらうことで、あれよあれよという間に内定を勝ち取ることができました。
Aさんは偶然やタイミングの問題ではなく、明らかに転職エージェントへと登録しキャリアコンサルタントからのアドバイスとサポートがあったからこそだと強く感じました。
実際にそうだと思います。おそらくそのまま一人で転職活動を続けていても、Aさんは結果を出すことはできなかったでしょう。しっかりたてた対策が客観的な視点によるものだったからこそ上手くいったのです。
独りよがりな面接から脱したことで転職に成功した例
Uさんは、自らのトークスキルに自信を持っていました。転職前の会社でもそのスキルはピカイチで、プレゼンテーションをすれば他の社員が自然と耳を傾け、納得させてしまう話術を持っていたのです。
そのトークスキルを用いれば面接も全てクリアすることができるだろうと、新たな職を求め転職活動へと乗り出しました。
しかし、書類審査や一次面接は突破できるものの、それ以上はさっぱりだったUさん。面接でもしっかりと自分のアピールが自慢のトークスキルによってできていると感じていましたが、それでも内定をもらうことができません。
どこに問題があるのかを人材紹介会社のアドバイザーに聞いたところ、独りよがりな受け答えになっていると指摘されました。そのアドバイザーがUさんを不採用とした理由を企業から直接聞いたところ、話は上手だが、一方的な受け答えで企業の求める人材とは少々違うようだったのです。
Uさんはそのアドバイスを聞き、反省しました。確かに面接では自分のアピールばかりを行い、人事担当者の質問に対する答え方としては不適切だったと知ることができたのです。
その後、人材紹介会社のアドバイザーの助言も受けながら面接対策を行い、無事に条件のいい企業から内定を受け取ることができ転職に成功。Uさんは新天地で、そのトークスキルを活かしながら上々の成績を残しています。
Uさんが転職に成功できたのは、紛れもなく面接に対する意識を変えた点にあります。そして、Uさんのように話術に長けているからといって面接を軽々と突破できるわけではないことも、多くの転職希望者が頭に入れておくべきことでしょう。
それに気づけるかどうかは、人材紹介会社を利用しているかどうかにも関わってくるのかもしれません。
面接を受けた後の判断・対応が成功のカギ
次の面接に進んだら速やかな対応を
大学生の就職活動は、その時期が決まっており、企業にとっても採否を決定するための時間的猶予が与えられています。しかし、転職活動はそれとは異なる時間の進み方で行われるため、応募から採用まで非常に短期間であることも珍しくはありません。
言わば転職活動は短期決戦であることが多々あるのですが、そうであるならば、企業からの連絡に対しては速やかに対応しなければならなくなります。
例えば、応募後に履歴書や職務経歴書を送付し面接のオファーがあれば、それにはできるだけ早く反応する必要があるのです。受けるか否かはその時の状況次第ではありますが、もしまだ他の企業への転職が決まっていないのであれば、そのオファーは受けるべきでしょう。
複数の企業に応募している場合、「こちらは本命ではないから面接は控えておこう」と考える人もしばしばいます。その考え方も一つではあるものの、やはり面接のオファーがある以上は受けておくべきです。
一番ダメな対応は、その面接のオファーを放置しておくこと。面接を受ける気がないまま置している状況は問題外ですが、迷っている段階であっても連絡せずにそのままというのはあり得ません。迷っているのであれば面接は受ける、これが転職希望者が徹底したいことなのです。
その理由は、本命の企業が他にあったとしても、そこに採用されるとは限らないことと、面接のオファーを放置すればするほど印象が悪くなるからです。
「3日後に本命の企業の採否のお知らせが来るはずだから、その時まで連絡を入れるのは控えておこう」と考え、3日後に本命の企業からフラれてしまった場合。「面接のオファーをお受けします」と滑り止めの企業に言ったところで、3日間も放置された企業は快く面接を実施するわけがありません。たとえ面接のオファーを受けたとしても、「社会人としてのマナーを持ち合わせていない」と判断される可能性が高く、おそらく不採用となるでしょう。
面接のオファーを受けてしまっても、採否がはっきりした段階でお断りするということは可能です。次の面接に進むことができたら他の状況や迷いは一旦横において、しっかりと受けるようにしてください。
採用決定後の対応もスピーディーに
次の面接のオファーではなく、採用のお知らせが来た時にはどうでしょう。これにも迷う場合が出てくることもあるのではないでしょうか。特に滑り止めで応募していた企業から採用通知が来た時は、それを受けるべきかどうかの答えを出すのに頭を抱えてしまうこともあるかもしれません。
こちらも、スピーディーな対応をするのが基本です。「やっぱりその企業で働こう」と採用通知から1週間以上経って思ったとしても、「結構です、他の方を採用しましたので」と言われてしまう可能性大。その日のうちに返事をする必要があるとまでは言いませんが、数日以内には返事をするよう心がけましょう。
頭を抱えない状況にするためには、むやみやたらには応募しないことです。気になる企業へは積極的に応募すべきですが、その時々で本命を決め、それ以外の応募は少しズラすなど、控えるのが賢明です。ここも、就職活動と転職活動の違いです。
企業側もできるだけ早めに人材を受け入れたいと考えているはずですから、入社するならする、見送るなら見送るで、早めに判断する意識が求められます。
ですが、あらかじめ人材紹介会社などを通じて応募をしていれば、こうした悩みも払拭できます。紹介された求人に応募し、ダメなら次の企業へと応募、というように上手に切り替えられるからです。もし採用のお知らせに対してそれを受けるか否か迷っている時も、人材紹介会社のキャリアコンサルタントに相談すれば、一人で頭を抱えるよりもずっと良い対処の仕方を教えてくれます。少なくとも企業にかける迷惑は軽減させることができるでしょう。
いずれにしても、企業から何かしらの連絡を受けたらスピーディーに対応しなければいけません。これを忘れてしまっては印象を悪くするどころか転職が遠ざかってしまいます。この点に十分に気を付けながら転職活動を進めていくようにしてください。
最初の面接で判断することのリスクを示す一例
Wさんは、転職活動を進め、書類審査にも突破し三次面接まである企業の一次面接を乗り越えることができました。その企業は事業内容も素晴らしく、また、待遇や条件に関してもWさんの理想通りだったのですが、しかし、一次面接の担当者に疑問を感じていました。
面接中の態度があまり良くなく、質問内容も中途半端で、さらにはWさんには一切の興味を持っていないような雰囲気に強い違和感を抱いていたのです。
「こんな企業に入社してしまったら、もしかしたら後悔することになるかもしれない」と、二次面接以降を受けるかどうか迷っていました。
Wさんはお世話になっていた転職エージェントのアドバイザーに相談。するとそのアドバイザーは、「せっかく一次面接に通過したので、一応次も受けてみては。判断はそれからでも遅くはないはず」との助言。それもそうだと思ったWさんは、二次面接を受けてみることにしました。
すると、一次面接とは全く異なる状況にWさんは驚きます。一次面接と担当者は同じだったのですが、まるで印象が異なっていたのです。どうやらその担当者は一次面接ではわざと悪態をついたり応募者に興味のないフリをしていたようです。いわゆる圧迫面接というものだったのです。Wさんはホッとしながら二次面接を受けることができました。
社長との三次面接では、企業のトップであるにもかかわらず気さくで、企業そのものの雰囲気は全く悪くなく、むしろ思っていた以上に素晴らしい企業であるということを実感。一次面接は応募者の性格などを知るためのものであったとWさんはしっかりと理解することができました。
Wさんは無事に全ての面接を突破し転職先が決定。転職エージェントのアドバイザーの言う通りに二次面接を受けてよかったと実感しています。もし一次面接の雰囲気だけで判断してしまっていたら、転職には成功することができなかったでしょう。
面接は最後まで受けてみなければわかりませんし、面接というのはあくまでもその企業の一面しかわからないわけです。判断は冷静にすべきだということも、このWさんの例から実感できたのではないでしょうか。
近年、こういった圧迫面接を行う企業は増えてきています。それも頭に入れながら転職活動を行うといいかもしれません。他の応募先がある場合も同様です。とりあえず面接を受け続けてみれば、「こちらの方がいいかもしれない」と思うことも出てくるはず。面倒だからと面接のオファーを断ったり放置することがないようにしましょう。
おわりに
転職の明暗を分けるポイントは、一見すると些細なことかもしれません。ですので、分かりづらく人は無意識のうちに自意識過剰になりがちです。
だからこそ、転職活動を行う際には人材紹介会社や転職エージェントを活用するほうが得策なのです。
相談した結果、「転職しない」という答えを出しても問題はありません。少しでも転職に興味があるなら、相談してみることをお勧めします。きっと一人では見えてこなかった突破口が見えてくると思いますよ。