自分以外にも転職を志して活動している人はたくさんいます。1つの求人に対して数十人、数百人が殺到することも、決して珍しくはありません。たとえ激戦でなくとも、転職においてはライバルよりも総合的に価値の高い人材だと認められなければ、絶対に勝てません。

転職市場において価値がある人材だと判断されるために、取り入れておくべき考え方を実例とともに紹介します。参考にしてください。

１．転職の成功と資格の関係性

市場で自分の価値を正しく上げることで、今のまま求人に応募するよりも、ずっと成功の確率が上がります。ですがそこには誰もが陥る落とし穴をあります。

 

資格があると転職に有利？

転職するにあたって資格を持っていることは非常に有利に働く、という話を信じてはいませんか？否定はしませんが、資格至上主義になってしまう点には注意が必要です。

資格はその人の価値を判断する一つの指標にはなるものの、その影響力は意外と小さく、それだけで転職を成功するわけではないのです。

 

こうした現実を踏まえた上で、どのような資格であれば転職が有利に進むのか、また、資格そのものの価値とはどの程度のものなのかを考えてみましょう。

 

転職を有利に働かせるための資格とは

 

そもそも資格にはいくつかの種類が存在しています。もっていなければ特定の仕事に就くことができない資格もあれば、その資格を持っていなければ名乗れない職業もあります。

よく知られているところでは、国家資格のような公的資格と、それ以外の民間資格に分類することもできるでしょう。合格率の高い資格と低い資格という分け方も、少々曖昧な線引きとはなりますが不可能ではありません。

 

そうしたものの中で転職を有利に働かせるための資格を見てみると、意外と数が少ないことがわかります。

弁護士や公認会計士のような国家資格であり、しかも取得の難度が高いものであれば、その資格を有していることで一定の評価を受けることは可能です。

民間資格であっても、例えばTOEICで900点以上を獲得するほどの英語力があれば、それも転職の際に武器とすることができるかもしれません。

裏を返せば、そうした取得が難しい資格や検定でなければ、転職を有利に働かせるまでの効果は持たないということです。

 

これが転職市場の現実であり、多くの人が勘違いしている点です。人材難の業界や職種であれば取得しやすい資格であっても重宝されるかもしれません。ですが、転職によって収入を上げたい、キャリアアップを図りたいと考えている人にとって、それらを実現するための資格は、相当な高いレベルのものだということです。

 

資格よりも経歴や実績で評価される傾向

 

資格の中にも価値のある資格、それを持っていると転職の際に有利になる資格や検定というものはいくつかありますが、多くの企業では、資格の有無によって応募者の採否を決定することはほとんどないと言ってもいいでしょう。

資格がなければ就けないような職業であればその資格の有無を確認はしますが、それは応募資格を満たしているか否かの確認に過ぎず、採否を決定づけるものではありません。

 

では、企業は何を基準に応募者の採否を決定しているのでしょうか。

資格よりも、これまでの経歴や実績で判断している採用担当者がほとんどで、言い換えれば、履歴書よりも職務経歴書を重視する企業が大半なのです。

資格と絡めるのであれば、その資格をいかに仕事に生かしてきたか、ここにフォーカスするのではないでしょうか。

 

資格を持っている人というのは、世の中にごまんといます。

例えば、弁護士の有資格者は一般の人からすれば素晴らしいと感じるでしょうが、日本全体を見回してみれば、この資格を持っている人は山ほど存在し、それだけではその人の価値は大して上がりません。

しかし、絶対に不利な状況の中、自身の弁護によって逆転勝訴に持ち込んだという実績を持っていれば、当然その人の価値が上がります。

 

他の資格も同様です。TOEICで高い点数を取得している人はもちろん評価されます。ですが、試験でいい点数は取れるけれども、普段の仕事では英語を使わない人物と、実際に外資系の企業と英語で商談をまとめた経験をもつ人とでは、多くの企業は後者を採用したいと思うはずです。

後者がTOEICをはじめとした英語検定を受けたことがなくても、おそらくその採用基準は変わらないでしょう。

 

日本は資格を讃える風潮がありますが、資格の取得はあくまでも手段であり、転職の武器とは頼りになりません。

それよりもまずは自らの経歴や実績を見直し、それでどれだけアピールできるかを考えながら準備を進めていきましょう。

  

資格を持っているだけでは転職に成功できないという実例

 

Kさんは金融系の企業で働いていますが別の職種に興味を持ち、転職を検討し始めました。転職に失敗しないようにと「中小企業診断士」の資格を取るための勉強して、見事に合格。

決して簡単なチャレンジではありませんでしたが、Kさんにとっては転職の武器ができたと同時に、難度の高い資格の取得に自信もでき、また、資格取得のための勉強によって新たな知識も獲得できたことに喜びを感じていました。

 

Kさんはこの資格をしっかりと履歴書に記載して転職活動を始めましたが、面接まで進むことすらなかなかできません。条件のいい求人に応募してくるのはKさんよりも資格、能力や実績の面においてもレベルの高い人物ばかり。履歴書や職務経歴書を見た段階で採用担当者に興味を持ってもらうことができなかったのです。

 

そんな転職活動の中、1社のみKさんを面接に呼んでくれる企業が現れました。Kさんはそこで中小企業診断士の資格についてもアピールしましたが、その企業の採用担当者は興味を示してくれません。それよりも金融系企業で働いていることや、その中で担っている業務内容に興味を持っていました。

 

Kさんは、この出来事により転職することを断念しました。難しい資格を持っているからといって転職が上手くいくわけではないことがよくわかったからです。転職するよりもさらに金融系企業での実績を積んだ方が、自らのキャリアアップにつながると見込んでの転職活動中止でした。

 

国家資格だからといって、それが転職に必ずしも役立つとは限らない良い例です。その資格を活かして何か実績を積み上げていればよかったのですが、Kさんにはそれがなかったので転職が上手くいかなかったのでしょう。

これが現実であると多くの転職希望者が理解し、正しい認識の元で転職活動を行うことが重要なのかもしれません。

 

資格以外の部分を評価されて転職に成功した例

 

公認会計士の資格を持っているJさん。その資格を活かして税理士業務を担当し、日々仕事をこなしていました。条件面では特に問題はありませんでしたが、税理士業務そのものにあまり面白さを感じておらず、もっと自分の個性を発揮できるような企業へと転職したいと思うようになりました。

公認会計士の資格はすでに取得していましたから、これがあれば転職できるだろうと軽い考えで活動をスタートさせたJさん。書類選考はほとんどの応募先で通りました。面接まで辿り着くことができるものの、しかし、採用を決定してくれた企業はなかなかありませんでした。

 

そんな中、Jさんに強い興味を持って採用をしてくれた企業は、Jさんの公認会計士の資格を評価したわけではなく、別の部分に興味を抱いたようです。それはJさんがこれまでこなしてきた業務の数々でした。

 

Jさんは実は外資系企業に勤めており、税理士業務といっても、それを英語で行うスキルを身につけていたのです。そこに興味を持った企業から税理士業務でなら採用ができると打診を受け、それを受け入れました。

これまでの業務を生かしながら、しかしさらに条件がよく、さらなるスキルを磨けるかもしれないと少し考え方を変えることにしたのです。

 

公認会計士も国家資格ではありますが、それだけではなかなか価値を生み出せません。Jさんのように、これまでの経歴を評価されて転職に成功するケースは少なくなく、むしろそちらの方がキャリアアップにつながる転職ができると考えるべきでしょう。

資格のみに頼るのはやめ、視点を変えてみる必要が多くの転職希望者にはあるのかもしれません。

  

2．転職に満足する人の性質と考え方

これまでとは異なる企業で働くことができたとしても、そこで満足感を得られるかどうかは、また別の問題です。もし満足感が得られなければその転職は失敗となるでしょうし、転職に成功するとは、すなわち転職後の満足度が高い状態であると言えるのです。

 

満足度の高い転職を実現できる人には、ある共通点があります。幾つも共通点はあるのかもしれませんが、ここで紹介するのは転職においてはもちろん、社会人としても非常に重要な考え方です。常に意識しながら転職活動や仕事に取り組むようにしてみましょう。

 

他者から意見や評価を聞く

 

転職後に満足することができる人は、自分を客観的に見ることができている人です。自分を客観視できないと、自分の実力を過小評価しているか、逆に自信過剰になりがちです。

他者からの意見をしっかりと聞く姿勢を持ちましょう。そのためには他者からの自分に対する評価もしっかりと受け入れなければいけませんし、そうでないと自らを客観視することができず、それが転職にも悪い影響を及ぼすことになるのです。

 

まずは、同僚でも家族でも友人でも良いので、何人かの人物に、自身のことを評価してもらってください。できるだけ正直に言ってくれる人を選ぶこともポイントです。

長所はどこで短所はどこなのか、どこに問題や課題があって、どこに強みがあるのか。こうしたことを直接聞き、答えを受け取ることで、少しは自分のことを客観的に見つめることができます。

 

また、自分で自分に対して下していた評価とは異なる意見が聞けることもあるはずです。ずっと付き合ってきた自分自身ですら気付かなかった「他者からの見え方」は、時に「違うのではないか」と首を傾げてしまうかもしれません。ですが、実際はどちらが間違っているのかは明白です。少なくとも、転職活動で応募する企業に対してアピールすべきは、他者から見た評価であることは間違いありません。

 

大事なことは、他者からの意見や評価を真摯に受け入れる姿勢です。それを否定していては何の問題の解決にもなりませんし、転職活動に生かすこともできないでしょう。他者からの見え方を転職活動にどう生かしていくか、これを考えることに専念すると、転職に成功するための戦略も見えてくるのではないでしょうか。 

 

採用してもらえない理由の精査ができる

 

転職活動をスタートさせ、さまざまな準備を行い、いざ求人をチェックして応募をしたとしても、それで必ず採用してもらえるとは限りません。人によっては何十社も受けてやっと最終面接にまでたどり着けるという人もいます。それでも採用されずに結局、転職できずに終わってしまう人もいるのではないでしょうか。

 

全ての人に当てはまるわけではないかもしれませんが、書類審査や面接審査で落とされると、「自分のことを評価できない相手が悪い」と、まるで応募先の企業に問題があるかのような思考になる人もいます。

優秀な人物であれば、おそらくどのような企業を受けても採用されるでしょう。確かに採用担当者は神様ではありませんから、応募者のスキルや性格の全てを見抜くことはできません。それでも実績や能力、コミュニケーションスキルなど、市場価値を高める要素をしっかりと備えていれば、必ず転職には成功するはず。それが備わっていなかった自分に問題があると、採用されなかった時には反省しなければいけないのです。

 

もし採用してもらえなかったのであれば、その都度、どこに問題があったのか、その理由を考えるようにしましょう。解雇規制の厳しい日本においては、企業側も採用するリスクを負います。もし採用に失敗すれば、それは企業の業績にも大きく影響してくるため、容易に受け入れるわけにはいきません。シビアな審査を行い、「この人なら絶対に大丈夫だ」と確信しない限りは、採用しないものなのです。

それを理解した上で、では自分には何が足りないのか、これを精査することです。

 

この作業ができない人は、いつまで経っても採用に至らず、つまりは転職に成功できない可能性が高まります。仮に転職できたとしても、あまりキャリアアップには繋がらない満足度の低い転職になる恐れもあります。

こうした事態を避けるために、できれば転職エージェントなどを積極的に利用しましょう。専任のコンサルタントに「転職に失敗した理由」をアドバイスしてもらうか、それ以前に、経歴や実績などから自分の市場価値を正しく見出してもらった上で、転職活動を進めていかなければいけません。

 

転職前に実績や評価を残す

 

Fさんが転職を考えたきっかけは、職場の人間関係の悪化でした。居心地の悪い環境でこのまま仕事をするよりは、心機一転職場を変えて仕事をしたいと考えたのです。

Fさんは転職エージェントへと登録。しかし、人間関係の悪化により転職したい思いに至ったという動機は、どの企業もあまり良い印象を持たずに、むしろマイナスのイメージに繋がるとエージェントのスタッフに言われてしまいました。しかもFさんは、そもそも他の企業が欲しがるようなスキルも実績も備えていません。

 

Fさんは、そうした自分自身の現状についても理解していました。特に強い要望があるわけではなく、ただただ雰囲気の悪い現状から逃げることばかり考え、その末に頭に浮かんだのが転職だったわけです。エージェントのスタッフにそう指摘されてしまうのも仕方がないでしょう。

Fさんは転職することを一旦保留し、今の職場で仕事を続けてみようと考えました。少なくとも、転職活動に有利になるような、誰が見ても評価の対象となるような実績を積んでから転職をすべきだと決心したのです。

 

人間関係は仕事上の関係だけだと割り切るようにしたFさん。その考え方が良かったのかもしれません。ストレスも溜めずに仕事をしていると、徐々に嫌だと思っていた人間関係にも改善が見られ、大きな仕事を任されるようにまでなりました。

プロジェクトを見事成功に導いたFさん。その実績をもって転職活動を行った結果、業界を代表するような企業へと転職することができたのです。

 

転職したいと思ったとしても、もし自分に何かが足りないと思ったら、それを備えるために転職を一旦思いとどまっても良いのかもしれません。その方が意外と近道であることも多く、特にネガティブな動機で転職しようと考えている人は、一呼吸おくことはとても大切です。

自分を客観視し、自身に備わっているスキルや、これまで積み上げてきた経歴・実績などと冷静に向き合ってみる必要があるでしょう。

そのためには他者から意見や評価を聞き、それを生かす。これが大きな転機を運ぶからです。

 

３．転職を成功へと導く、人との繋がり

 

転職活動は、しばしば孤独との戦いにあります。ですが転職エージェントを利用すれば常にコンサルタントに相談できる体制があるため、その孤独も少しは和らぐかもしれません。

ただ、それ以外にも人との繋がりを持っていた方が、転職には有利に働く可能性が高いでしょう。

 

事実、人付き合いを重視し、知り合いや友人など人脈を多く築いている人は、転職に成功している傾向があります。その理由と人脈を築くために必要なことを紹介します。 

 

なぜ転職成功者は人付き合いが幅広いのか

 

転職活動に成功するためには、情報が必要です。量が多くて質の高い情報を手に入れることができる人は、転職に成功しやすいのです。

 

例えば、求人情報を獲得するのが上手な人はそれだけ選択肢が増え、より魅力的で、より自分の希望に沿った、あるいは相性のいい企業と出会うことが可能です。

逆に求人情報の獲得があまり上手ではない人は選択肢が減ってしまうため、世の中にはまだまだ魅力的で相性のいい企業が存在しているにもかかわらず、それに触れないままに転職先を決めてしまいがちです。

また、企業に関する情報をより多く集め、信頼性の高い情報を獲得することができれば、その企業の状況や環境などを知ることができ、これも転職先の選択の失敗を回避することに寄与するでしょう。

 

人との繋がりが多く、人脈をしっかりと築いている人は、それだけ情報の仕入先も多くなるため、質の高い大量の情報を入手することができます。今ではインターネットを使えば誰でも情報を収集することができるようになりました。

ですが、やはり人からの情報にはなかなか勝てません。ネット上の情報はその真偽を確かめるのは難しいのですが、信頼できる人からもたらされた情報であれば、その時点で信頼に値します。

 

さらに、ネットでいくら検索しても、自分の能力に見合った検索しかできないと情報は偏ります。築き上げた人脈から得られる情報は意外なものも多く、自分でネットで検索するよりもずっと有益なものが含まれていることが多いのです。

 

転職サイトには載っていないようなアドバイスも、知り合いから得られるかもしれません。転職エージェントではわからない自分の姿を、友人が指摘してくれるかもしれません。それも全て転職活動に生かすことができれば、成功の確率が高まるのは必然なのではないでしょうか。

 

関係の深い人脈を築くためには

ただ知り合いを増やしていくだけなら、社会人にとってさほど難しいことではないでしょう。難しいのは、深い人間関係を構築していくことです。知り合った後でその人と仲良くなる、信頼関係を築いていくことは簡単なことではありません。

しかし、転職に役立つのは、その深い関係性であり信頼関係であることは言うまでもないでしょう。

 

他者と深い信頼関係を築き、良好な関係性を維持するには、まず自分が信頼できる人になる必要があります。仕事である程度の実績を上げていれば、それも一つの武器になります。仕事ができる人には、人が寄ってきます。キャリアを築くことを、まずは意識すべきです。

そして、人間性を磨くことも重要です。約束を守る、私利私欲のためだけに動かない、相手のことを思いやる、こうしたことを心がけておけば、徐々に信頼してもらうことができるはずです。

 

連絡は待ち続けるのではなく、自ら連絡を入れることも重要。名刺交換をしたとしても、相手から連絡が来るまで何もしなければ、なかなか信頼関係を築いてもらうことはできないでしょう。無理矢理にでもきっかけを作り連絡を取り合っていれば、徐々に相手も受け入れてくれるようになります。そうした動きを自分自身で作ることを心がけなければいけません。

 

ちょっとしたことをきっかけに誰かと知り合ったとしましょう。その人物は本を出していて、その本を頂いたとします。自ら購入しても構いません。その本をただ読むことは簡単にできますが、その人との人間関係をしっかりと築いておきたいなら、何かしら行動することもできます。

例えば、自身のSNSでその本を紹介してみてはどうでしょうか。お互いにフォローし合っていれば、その時点で相手にそれが伝わります。相手がSNSを活用していないのであれば、本を読んだ感想をメールで送る時に、自身のSNSのアカウントを記載しておくのも手です。

 

たったこれだけでも意外と信頼関係は築けるもの。そして、その積み重ねが揺るぎない強固な人間関係へと繋がり、転職時に役立つ存在となるのです。

相手のためを思ってとった行動は、必ず自分のためになって返ってきます。これを念頭に人間関係の構築を意識するようにしてみましょう。 

人脈が転職に好影響を与えた実例

Sさんは、ある経営者に非常に強い関心があり、その人の主催するセミナーにも度々参加していました。その経営者の最新本の出版記念セミナーに参加し、よりその経営者の魅力に惹かれました。さっそくSさんはその経営者が書いた最新本を入手し、いつものようにフェイスブックで感想をアップ。もちろんその経営者のことを尊敬していたため、ポジティブな感想でフェイスブックを埋め尽くしました。

 

それでも高揚感が抑えられなかったSさんは、その経営者にメールを送ります。フェイスブックのことにも触れてメールを送ったところ、その経営者からフェイスブックを通じて返事をもらうことができたのです。

ここで関係性を築いたSさんは、その経営者が本を出すたびにフェイスブックで紹介。その経営者もそのたびに返事をくれるようになり、交流を深め、一緒に食事をするまでの仲になりました。

 

Sさんはその経営者に仕事の話をしたところ、Sさんの経歴と能力にぴったりの企業を知っていると言い出し、紹介してくれました。

実際にその企業の人と会ってみると、先方もSさんのことを大変気に入り、ぜひ一緒に働きたいとのこと。Sさんは驚きましたが、転職によってキャリアアップを図りたいという気持ちと、その企業の事業内容にも非常に関心があったため転職を決意。

転職前では考えられなかった待遇を受けているSさんは、すべてその経営者との出会いのおかげであると感じています。

 

Sさんは人脈を築こうとしてフェイスブックで本を紹介するなどしていたわけではありません。でも結果的に、その行動で築いた人脈が転職の機会と成功を招き入れたことは間違いありません。

このように、人との繋がりがあればあるほど人生は好転し、それが転職の結果にも良い影響を及ぼすことが多々あるのです。その事実を知っていれば、どれほど人脈や他者との信頼関係が重要なのかを理解することができます。

 

４．おわりに

転職市場において価値を持つ人は、肩書きや資格に惑わされずに、自分の価値を客観的にとらえる視点をもっています。

人からの意見やアドバイスに耳を傾け、関係を大切にしながら前に進むだけで、人脈は自然に広がり、信頼関係が生まれます。ここでまとめたことはそれらのエッセンスのほんの一部として、心を決めるだけでできることばかりです。ぜひ活用してあなたの望む転職を成功させてください。