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転職するべき?しないべき?転職前に最新情報を分析する

誰でも多かれ少なかれメディアの作る転職に関する情報から、転職へのイメージを自然と作り上げています。重要なのは、冷静に転職のメリットとデメリットについて検討すること。

転職する方が良いという思い込みに陥る可能性があります。

しかしメリット・デメリットをきちんと見極めることがまず大事です。

今の会社に留まった方が良いのか、転職した方が良いのか?正しく判断するためのステップをまとめました。参考にしてください。

1.会社に残るべきか、転職すべきか

最初に注意しなければならない点は、会社に残る事にも転職する事にも、メリットとデメリットが存在するので、バランス良くメリットとデメリット両方に目を向けることです。

 

単純にメリット・デメリットを比べない

転職はあなたにとってメリットの方が多いですか?誰かにこのように質問されたとしたら、どう答えるでしょうか。もちろん個人の事情や、時代や状況によって大きく変わるため、一概に良し悪しを決めることはできないものです。

例えば、多くの会社が即戦力となるような人材を探している時代であれば、転職を検討する方がプラスに働く可能性が高くなります。しかし転職求人が売り手市場であっても、転職希望者の技術や能力が高くないのであれば、売り手市場の中でも良い転職先を見つけるのは難しくなります。

 

結果的に転職がプラスに働いたかどうかは、時間が経ってから初めて分かるものです。まずは転職のメリット・デメリットは単純に図れるものではないという現実を認める必要があるでしょう。

とは言え、実際に転職に成功した方の意見を聞いてみると、メリットやデメリットで共通している点を見つけることができます。転職について考える時には、多くの転職者に共通するメリット・デメリットを考慮し、その上で個人的な要素をみることです。

 

年金や退職金への影響を考える 

退職は経済的な面でデメリットになる場合があることを考えると、将来設計にも大きな影響が出てくるため、この面のデメリットを考えるのは重要です。

今回は、特に退職が年金や退職金にどのような影響を与える可能性があるのかを考えてみてください。結論から言うなら、多くの企業において早期退職した場合、企業年金や退職金に関してはデメリットの方が圧倒的に多くなりです。

 

日本の雇用体制は、終身雇用や年功序列というシステムによって構築されてきたために、勤続年数が長い方が企業年金や退職金に関してメリットが大きいという現実があります。

例えば、勤続5年以上から企業年金や退職金を受け取れるというシステムになっている企業もありますし、勤続25年以上になると退職金や企業年金が急激に上がるというシステムになっている企業もあります。

 

このような企業で働いていた場合、仮に転職のため退職してしまうなら受け取れる企業年金や退職金は大きく減ってしまうでしょう。

もちろんこのようなシステムから脱却している企業がないわけではありません。

中には退職金制度を廃止して、毎月の月給の中に退職金となる報酬を含めて支払っている企業もありますし、確定拠出年金という方法で企業年金分を先に支払う企業もあります。

 

このようなシステムを採用している企業であれば、転職するまでに月収と一緒に企業年金や退職金をもらっていることになるので、年金と退職金について退職による影響はほとんどないでしょう。全ての企業でこのようなシステムを採用できれば良いのですが、現実としてこのシステムを採用できている企業はまだ多くありません。

 

それには2つの大きな理由があります。

1つ目は、企業側が優秀な人材の流出を防ぐために、企業年金や退職金に勤続年数を反映させる方法を意図的に採用していることです。企業側からすれば、社員が転職によって退職する時に年金や退職金の面で損失がないなら、優秀な社員を他の企業に引き抜かれてしまう恐れがあります。

もちろん社員を縛るため、勤続30年以上でなければ退職金や企業年金をもらえないとしているような極端な企業はほとんどありません。

それでも5年以上勤続年数がない社員が退職する場合は、退職金を支払わないと規定している企業は多くあります。

もちろん企業は多くの時間と資産を使い、新入社員を教育しているので、短期間で辞められては困るからです。仮に5年以上勤続必須という企業で4年勤続後に退職をした場合、退職金や企業年金は一切受け取れない事になります。こうした退職を繰り返すなら、何年経過しても退職金が手元に入ってくることはありません。

 

2つ目の理由は、企業の中には企業年金や退職金のシステムを変更しようと考えているものの、社員の多くが将来的な安定のために退職金制度の維持を望んでいるため、変更に踏み切れないという点です。

退職金や企業年金制度を変えたとしても、退職金などは毎月の給料の中に含まれてくるため、普段から企業年金や退職金を別にしておけば良いだけです。それでも多くの方が退職時に退職金をもらうという意識を強く持っています。

 

社員たちの中にこのような体質があるため、企業が制度を変更しようと思っていても、退職金制度の一部変更くらいに留まってしまいがちです。

また、たとえ転職前の会社が年功序列制度を止めていたとしても、転職先の企業が年功序列や勤続年数によって退職金を取り決めていた場合、転職先の年金や退職金が大幅に減ることになります。

こうした理由があるため、企業の多くは企業年金や退職金制度を変更することができず、転職のために早期退職をすることが経済上デメリットになってしまう可能性が高くなります。

 

人事制度の面でのデメリット 

人事制度とは、株式の取得、早期退職時の優遇制度、有給休暇などの面でも転職は影響が出てきます。全ての企業ではないものの、多くの企業では勤続年数と人事制度は関連してくるからです。

例えば、勤続年数が長くなればなるほど、取得できる株式が増える、有給休暇の日数が増える、早期退職時の優遇が良くなるなどの変化があります。転職のために退職するとなると、一旦勤続年数が0になるため、転職先での人事制度の優遇は期待できません。

 

加えて注意しなければならない点は、賞与についてです。

年間2回の賞与を支給している企業であれば、勤務期間6ヶ月を評価して支給額が決定され、年間1回の場合は1年間の勤務期間の評価になります。この期間すべて会社に在籍している事が、賞与を満額受け取れる条件になるため、退職のタイミングによっては、転職先で受け取れる賞与の額がかなり少なくなります。

 

さらに賞与支給日に在籍していない人には、基本的に賞与の支給はされないため、支給前に転職してしまえば、当然前職での賞与を受け取ることはできません。

例えば、賞与が1年に1回12月に支給される企業に勤めており、11月に退職した場合、当然前職での賞与を受け取ることはできません。

さらに転職先で働き始めるのが12月の場合、賞与がほとんど支給されない可能性が高く、1年間全く賞与を受け取れないという可能性もあります。

 

賞与を考え、12月末に退職をして1月から転職先で働くことによって、前職場でも満額の賞与を受け取ることができ、さらに転職先でも評価期間が少なくなる事もありません。

このタイミング以外での退職であれば、転職は賞与に対してマイナスに働くことになります。

これは賞与のみの話ではなく、給料に関しても同じことが言えます。

 

退職してから、1日も空けずに転職先での仕事が始まれば全く問題はありませんが、実際には仕事の空白期間が生じるものです。空白期間が生じれば、給料を受け取れない期間が出てきてしまい、当然給料による収入が減ることになります。

 

働く期間が中断してしまったとしても、失業保険を受け取ることができれば、転職先が見つかるまでの間の収入を確保することもできます。

しかし失業保険は自己都合による失業の場合、失業保険給付までの待機時間が3ヶ月ほどある上に、給付金も元の給料より格段に少なくなります。

給料の面で退職がデメリットにならないためには、退職前の仕事を月末までしっかりと行ない、翌月1日から新しい仕事をスタートさせることです。

 

このように転職は、企業年金、退職金、賞与や給料の面で不利な部分がとても多いという現実があります。まずはこの現実をしっかりと受け止めてから、検討する必要があるでしょう。こうやってみていると、転職にはデメリットしかないように見えますが、実際はどうなのでしょうか?

 

キャリア面で転職は有利に働く

 

「終身雇用」という制度の元に、日本では雇用が行われてきました。近年、この「終身雇用」という考え自体は変化してきましたが、それでも多くの企業で引き続き社員を長期間にわたって雇用し続けており、この面では変化はありません。

新卒で会社に入社し、その企業に留まり続けることができるため、転職をしなければ経済的に安定することはできます。この経済的な安定は、この時代においては大きなメリットになるため、転職自体は経済的な安定という面で大きなデメリットになるでしょう。

 

しかし新卒入社後、同じ会社にずっと在籍するとキャリアという面ではデメリットになることもあります。

例えば、新卒として入社した後には、基本的に会社の意向に従って部署は選択されるため、自分が希望している種類の仕事の就くことができないケースも多々あります。

もちろん入社する時に、どこの部署で働きたいのか申告できる会社もありますが、その希望通りの場所で働ける保証はありません。希望はあくまで希望であり、会社が参考程度に聞いているケースが多いと言われています。

 

希望する部署に配属されたとしても、会社が必要と判断すれば他の部署への移動が必要になり、会社の意向を拒むのは会社員として非常に難しいでしょう。大きな会社であれば支社が複数あるため、特別な理由がない限り長期雇用であれば、会社の要求に従って遠隔地への転勤の可能性もあります。

 

会社が希望しているのは、社員が希望しているキャリアを伸ばすことではなく、社員が会社の中でオールラウンドプレイヤーになることです。

自分が望んでいる専門性の高いキャリアを希望し続けることは、ほぼ不可能と言えるでしょう。

 

しかし転職の場合は、状況が全く異なってきます。

基本的に中途採用では、すでにどのような職種で働くのか、どこの場所で働くのか、キャリアなどを自分で選択することが可能です。つまり会社からの条件に自分が合っていれば、自らそのキャリアをつかめるということです。

中途採用の場合、新卒とは異なり会社が教育を与えて社員を育てるという概念自体がないため、即戦力として入社し、希望したキャリアを伸ばしていくことができるわけです。

つまり自分が希望している専門的な職種を選択し、自由にキャリアアップできる確率が高くなります。新卒で入社した後、そのまま会社に留まっているのであれば、こうしたキャリア面でのメリットを得ることは難しいでしょう。

 

もちろん個々の努力が会社によって認められれば、自分の希望する部署で、やりたい事を続けてキャリアを伸ばしていく事もできるので、会社に留まるならキャリアを伸ばせないというわけではありません。

 

未来の扉を開く転職とは 

個々の転職の状況や個人の能力などは全て異なっているため、全ての転職が説明した結果通りになるわけではありません。現実的には、転職のデメリットの多さや大きさに対して、転職のメリットが思ったよりも多くないかもしれません。

しかし転職は、スキルやキャリアを伸ばせる無限の可能性を秘めています。転職をしたからと言って、すぐに成功をつかめるというわけではなく、転職後にどのように仕事を行うかによってのみ、転職に意味があったかどうかが決まるのです。経済的なデメリットを支払うことによって、将来という可能性を購入する。これが転職であるという言い方ができるのかもしれません。

では実際の転職市場の現状はどのようになっているでしょうか?

多くのメディアが転職について取り上げていますが、本当の転職市場の現状について自分自身でしっかりと理解しなければなりません。これから転職市場の現状と、転職後の給与の変化について調べてみました。

 

2.転職することによって賃金は上がる可能性があるのか?

 転職市場のイメージはメディアが作り出している

「転職」というキーワードを聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?

多くの方は、転職しようと思っても良い転職先なんて見つかるわけがないというイメージを持っているかもしれません。確かに、そのような一面があるのは事実でしょう。

特に2008年に起こったリーマンショックの時期は、多くの企業が中途採用の求人を出していなかったという時期がありました。しかし転職市場全体が、そのまま変わらないわけはありません。

リーマンショックから立ち直った多くの企業では、中途採用つまり転職者向けの求人を再び始めているため、「転職市場が大きく拡大」しているというのが実情です。

いわば転職市場では、転職希望者の数を上回る中途採用求人が出ている状態であり、専門家の中にはこれが長期間続くようなトレンドになっているため、過求人の傾向はしばらく続くと予想している方もいます。

 

メディアによって作られた転職成功者のイメージ

 転職求人情報を調べてみると、日常生活の至るところで転職求人を見つける事ができます。

特に多くの情報が集まっているのがネット上で、数限りないほどの求人数を確認できます。

さらに電車に乗った時には、中吊り広告に載せられている転職求人サイトの情報や人材紹介会社についての情報を目にすることもできます。転職セミナー開催情報の広告や企業が直接転職求人を広告として出しているケースもあります。つまり転職市場が非常に賑わっていることが情報量から理解できます。

しかし転職求人情報の紹介について目を移してみると、どのメディアであっても転職求人事項は共通なのです。

 

・あなたのこれまでのキャリアをもっと良い職場で活かしてみませんか

・転職はキャリアアップの良い機会です

・専門的な知識を生かせる企業への転職をしてみてはいかがでしょうか

 

こういった紹介をよく目にしませんか?さらに転職成功者の例として次のようなものもあります。

 

・年収が1,000万円以上になった

・ようやく自分の能力を発揮できる職場を見つける事ができた

 

こうした転職の劇的な成功例を大きく紹介しています。このような紹介や成功例を見ていると、自然と次のような考え方を持ってしまいませんか?

 

・転職を成功させるためには、特別な能力がなければならない

・年収を大幅にアップさせた人には、特別な能力があるので転職できた

・転職すると高い確率で成功できて、確実にキャリアを伸ばすことができる

・自分には特別な能力や経験がないから、転職できない

 

メディアの情報をそのまま鵜呑みにしてしまうと、上記のような考え方が自然と刷り込まれる可能性があります。

つまり、転職市場では能力の高さが求められており、さらに人間力の高さも必要とされている、加えて専門的な知識が求められているという概念です。

そして転職市場で成功している方の多くが、多くのキャリアを積んでおり、専門的な知識に秀でている人であるという見方です。

もちろんこうした情報の全てが偽りであるというわけではありませんが、転職市場の一部の情報だけが独り歩きしてしまっている感があります。

 

転職は特別なことではない

転職市場の現状を株式会社リクルートが発表しているデータから調べてみましょう。

6回転職市場定点観測調査が2009年に実施され、転職市場における転職未経験者の数が公表された企業の29歳から33歳までの社員の中で、新入社員から在籍している人の数は50%を下回っているという調査結果が出ました。

つまり30代に入って転職を経験していない人の割合が、全体の中で少数派になってきているということです。もちろん、このデータは従業員が20人以下の企業規模の会社から、従業員1万人以上の大企業までのデータを全て含めているので、企業によって割合の差は出てくるでしょう。

例えば、従業員が5,000人以上の企業の場合、生え抜き割合は40%であり、それに対し従業員50人未満の企業の場合は生え抜き率は20%以下になっています。

傾向としては大企業になればなるほど、社内における生え抜きの割合が増え、転職経験者の割合が減るという事になります。

しかし転職市場全体を見回した場合、転職未経験者の方が少数派。つまりメディアが作り出している、転職は一部の能力の高い人やキャリアを積んでいる人、専門的な知識を有している人だけが行うもの。そんなイメージが間違っていることを示しています。

30代になるまでに、誰でも一度は転職の機会に直面する可能性が高いため、転職の実情について正しく理解しておいたほうが得策です。

 

では転職について検討する際に、最も気になる「給料が上がるのか」「本当にキャリアアップできるのか」という2点を調査してみましょう。

 

転職によって本当に給料が上がるのか

 メディアの伝える転職のイメージの中には、転職するなら給料が良くなるというものがあります。この点においても、きちんと現状を把握しておきましょう。転職後に思っていたよりも給料が上がらず人生設計が狂ってしまうかもしれません。

厚生労働省の発表している平成28年雇用動向調査結果を見ると、転職した方の給料の増減についての詳細なデータを確認できます。

雇用動向調査転職入職者の賃金変動状況割合というデータによると、転職した方の35.3%は給料が増加し、給料が変わらない方は28.8%、給料が減少した方は34.1%となっています。

つまり平均的には、転職後に賃金が増加したという方の割合が一番多いものの、ほぼ同じ割合の方は賃金が減少しています。

 

年齢別に見ると、さらに詳しく転職による賃金の増減について理解できます。

まず19歳以下のデータでは、転職後の賃金が増えた割合は59.5%、変化なしの割合19.7%、減少した割合18.6%となっており、圧倒的に賃金増加が多いことが分かります。

20歳~24歳までは、賃金増加の割合は42.5%、変化なしの割合は28.2%、減少した割合が25.3%。25歳~29歳までは、賃金増加の割合は40.2%、変化なしの割合は27.9%、減少した割合が30.8%で、この年齢層でも引き続き賃金が増加しています。30歳~34歳までは、賃金増加の割合は39.2%、変化なしの割合は29.6%、減少した割合が30.1%で、やはり賃金増加の割合が一番多くなります。

35歳~39歳までは、賃金増加の割合は41.7%、変化なしの割合は26.7%、減少した割合が30.0%。同じように賃金増加の傾向は続いています。

こうした傾向は、40代の半ばまで続いているものの、45歳を超えると転職による賃金の増減の割合が同じになります。

 

そして50代に入ると、転職による賃金の減少の割合が完全に増加を上回り、年齢が上がる度に賃金の減少の傾向がより鮮明になります。つまり転職で賃金が上がるのは、40代の半ばまでであり、それ以降は転職をしても賃金が下がる可能性の方が高くなっていきます。

ただし、厚労省による調査は毎年行なわれているため、年度によって調査結果が変わることもあります。

例えば平成21年度に行われた雇用動向調査では、30歳以降に転職をすると賃金が減少するという方の方が多くなっていました。この8年間のうちに、30代でも転職することで賃金が増えるというケースが増えてきたことになります。

しかし、転職理由によっても、転職後の賃金の増減は変化してくるため、転職理由や職種に基づいてデータを調べると結果が多少変わってくる可能性もあるでしょう。

とは言え、平均的には20代や30代のうちに転職するなら賃金が上がる可能性の方が高いことが理解できるのではないでしょうか?年齢によっては賃金が下がる可能性の方が高いため、転職=賃金UPは必ずしも現実的なものでないと言えるでしょう。

 

20代や30代に転職をすると賃金が上がる理由

なぜ若い人の転職の場合、賃金が上がる可能性が高いのでしょうか?

いつ行われた雇用動向調査でも20代の転職者の賃金に関しては、増加する傾向が見られます。その最も大きな理由は、20代の場合でいうと、前職の賃金があまり高くなかったからです。

前職の賃金が手取りで20万円だったとして、転職後の賃金が23万円になれば賃金は上がり、増加率も15%となります。基本的に転職後の賃金は、前職の賃金を参考に決定されますが、転職先の企業では前職の賃金よりも高く設定したとしても大きな人件費にはならないということです。

それに対して50代の方の転職の場合は、前職の賃金が年齢と経験ゆえに高額になっている可能性が高く、転職先の企業ではその金額以上に設定するのが難しいだけなのです。


転職はキャリアアップに確実につながるのか 

転職後の賃金はキャリアと関連している面もあります。若い世代の方には転職後に賃金が増加する傾向があるものの、どの世代であっても転職によって賃金が減少している人も必ずいます。

25歳以上の方の転職では、約30%の方の賃金が転職後に減少し、年齢が上がるほど、転職による賃金減少の割合が増えています。

賃金の増減が必ずキャリアアップと関係しているとは言い切れませんが、転職後の賃金を見るなら、転職が必ずキャリアアップになる状況ではないことは明らかでしょう。

つまり転職=キャリアアップという事ではなく、転職後の個人の努力の方がとても重要であるということです。

 

転職の実情を把握し、メディアに踊らされない

メディアで取り上げられる転職情報は次のようなものです。

・経済が下降している今、企業には中途採用する力はない

・転職市場は非常に厳しいもので、能力や経験や知識のある一部の特別な人だけのもの

・転職するなら賃金が増加する

・転職によってキャリアアップが可能である

 

確かに転職にはこうした側面もありますが、全ての転職が上記の情報に当てはまるわけではありません。仮にこのような偏った情報に従って、人生の中でも重要な転職という決定をしてしまうなら、後々大きな後悔をすることになる可能性もあります。

転職することで賃金が下がる可能性もあり、さらに転職がキャリアアップの足を引っ張る可能性もあるからです。もし、転職が一部の人だけの特別な機会と思ってしまうなら、千載一遇の機会を逸してしまうかもしれません。転職について「なんとなく」メディアの情報を受け入れたり、ベースにして決定してはなりません。

 

転職市場の現状を調査し、正しい情報や実態に基づいて転職について検討しましょう。会社に残るにしても、行動を起こして転職するにしても、「メディアの発する一方通行の情報」に踊らされないように注意しなければなりません。

 

最も重要なのは、自分がなぜ転職しようとしているのか、会社を離れようとしている理由とはなんなのかという点を自分自身が把握することです。そして正しい情報に基づいて、転職することのメリットとデメリットについて検討することです。

 

最後に転職した場合、転職がゴールではなく転職後には、それまで以上の努力を払い、キャリアアップを目指すことも忘れてはなりません。助言やアドバイスを求め、現実と正しい情報を見極めることは、転職にとって欠かせないのです。 

3.おわりに

気持ちだけで先に進む転職よりも、いまの自分の年齢をと状況を冷静に分析した上での戦略的転職がおすすめです。マスコミの刷り込みひとつにしても、データベースでみるとすぐにトリックにも気づくはずです。ぜひ、自分の強みを最大限に生かせる転職活動の参考にしてくださいね。

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