『ブラック企業』ならぬ『ホワイト企業』とは、どんな企業か?
『ブラック企業』ならぬ『ホワイト企業』とは、どんな企業か?
毎年年末に『ブラック企業大賞』が発表されるようになって数年が経ちます。
ハリウッドのアカデミー賞に対抗して、その年の最低最悪の映画を表彰するラズベリー賞の授賞式にほぼ誰も出席しないのと同様に、『ブラック企業大賞』を受賞した企業の担当者が会場に来場したりコメントを発表することはありません。
不名誉なことはわかりきっているからです。
対して『ホワイト企業』とは、こちらも数年前から『ブラック企業』の対義語として作られた言葉で、労働者の権利を遵守し、法律を遵守し、従業員に対して手厚い福利厚生をもって仕事に対するモチベーションを上げて、労働生産性を高めている会社のことです。
仕事をするのであれば、誰でも、当然ながら『ブラック企業』よりも『ホワイト企業』で、と思うはずです。
では、ホワイト企業を見分けるポイントはどこにあるのでしょうか?
1)平均年収が高い
一般にホワイト企業と呼ばれる企業は、全社員の平均年収が高く、昇給制度も整っているため、長い目で見ても安定しているのが特長です。
こう聞くと大企業だけというイメージがあるかもしれませんが、業界でトップクラスのシェアを誇る企業であれば規模は関係なく、社員の平均年収が高い中小企業はたくさんあります。
2)男女ともに離職率が低い
職場環境がいいと、仕事に対するモチベーションが上がりますよね。
そして、将来的にも企業と自身の成長が見込める状況であれば、誰も会社を辞めようとは思わないものです。
結果的に勤続年数が長くなり、それだけ経験を積むことが出来ることになります。
男性だけではなく、女性の離職率が低い職場の場合は、女性向けの福利厚生が充実している証拠でもあります。
女性には、妊娠や出産、子育てなどの人生のイベントに際して、どうしても仕事より家庭を優先せざるを得なくなる状況になってしまいます。
それでも女性の離職率が低いということは、女性に対する会社のサポート体制が整っているということになるのです。
3)福利厚生が手厚い
福利厚生というと、法定福利である健康保険や厚生年金がその代表ですが、それ以外にも法定外福利として、社員食堂をはじめとする社員への福利がたくさんあると仕事のしやすさ、働きやすさにつながります。
4)法定労働時間を遵守している
『ブラック企業』の典型と言えるのが法定労働時間を大きく超えた時間外労働です。
しかも残業代は支給されません。
対して『ホワイト企業』は法定労働時間を遵守し、従業員に過度な時間外労働を課すことはありません。
5)法律に則った残業代が支給されている
こちらも『ブラック企業』であれば、サービス残業であったり、残業時間を少なく記録するという話がよく聞かれますが、『ホワイト企業』は残業したらきちんと残業代が支給されます。
時間外労働をしたのですからその分の残業代は支給されて当然なのですが、哀しいかな、正しく残業代を支給していない企業の方がクローズアップされがちになっています。
6)休日が多く、休暇の消化率が高い
会社が定めている休日が1年365日のうち、120日以上というのが、休日が「多い」とする目安であり、有給の他に企業が定めた様々な休暇の消化率が高いかどうかもホワイト企業を見極めるポイントになります。週休完全2日制や育児休暇、介護休暇、生理休暇などがあるかどうかをチェックしましょう。
7)人材育成制度が整備されている
人材育成に時間とお金をかける企業は、常に成長しようとしている会社であり、人にお金をかける余裕がある企業だと見ることができます。人材育成を怠っている企業は成長することは出来ません。
しかし、企業側もお金をかけて従業員に成長を促すことで、企業そのものも成長することが出来るわけです。
従業員もスキルアップの体制が整備されていたり資格取得に対する補助があることで、仕事や資格の勉強へのモチベーションを上げることが出来るという好循環が生まれることになります。
■すべてを満たす企業はないかもしれないが、諦める必要はない
上述したすべてのポイントを満たす企業は、なかなか見つからないかもしれません。
あるいは存在しないかもしれません。
しかしだからと言って諦める必要はありません。
上記7つのポイントを見て、自分の中で優先順位をつけ、その中で少なくとも上位3つのポイントを満たす企業をまず探してみましょう。
そのうえで転職するかどうかをじっくり検討しましょう。
現状に不満がなければ、いくらホワイト企業が見つかったからと言って転職する必要はありません。転職を希望しているタイミングで、ホワイト企業と出会うことができれば、これ以上のチャンスはありませんね。