ビジネスマナーをひと通り頭に入れていても、実際に社会に出るとマニュアル的な知識だけでは対応できない場面に遭遇することも。いざという時に備えて、臨機応変に対応できる力もつけておきましょう。今回はビジネスの場でありがちな出来事と対処法をQ&A形式で紹介します。
名刺に関するQ&A
- 1度に多くの人と名刺交換をする場合、どの名刺が誰のものか分からなくなりそうです。交換しすぎて名刺が無くなってしまったら、どうしたらいいですか?
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名刺に日付やその人の特徴をメモして記憶に残して。名刺が切れてしまったら郵送します。
一度に多くの人を名刺交換をしたら、その人と離れてから、日付、会話内容やその人の特徴などを、名刺の空いた場所にメモしておくと良いでしょう。
また、名刺を受け取ったらそのままにせず、名刺用のケースやフォルダなどに入れて保管する習慣をつけておくこと。案件ごとに分けておくと後でわかりやすいですね。エクセルなどのデータベースソフトを用いて、保存しておく方法もあります。
名刺を切らしてしまった場合は、「ただいま名刺を切らしてしまいましたので、のちほどお送りさせていただきます」と一言伝えて、できるだけ早く郵送の手配を。
名刺を用意するのを忘れてしまった場合でも、相手に対して「名刺を忘れてしまいました」と正直に言うのはタブーです。あくまでも「切らしてしまった」と言うのが一般的です。
- 複数人との名刺交換で、相手方の役職が見た目で判断できない場合、名刺を渡す順番はどのようにすれば良いでしょうか?
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主導権を握っているのは誰か観察して、名刺交換を。
能力主義の組織体制をとっている会社もあり、見た目だけでは相手方の役職(上下関係)がわからない場合もあります。そんな時は、誰が主導権を握っているのか観察すると良いでしょう。
上司に対して部下は一歩引き下がって行動しています。上司は、常にリーダーシップをとるので、相手の行動をよく観察しながら、状況判断すること。複数人の名刺交換であれば、その中で最も役職が高い人から名刺交換をするものなので、部下が上司より先に出て名刺交換をしてくることはまずありません。相手の動きを見ながら自然な流れで交換をすれば問題ないでしょう。
もしも、誤って部下に先に渡してしまった場合は、「大変失礼いたしました」と一言添えてそのまま交換を続けます。一旦名刺を相手から回収するのはもってのほかです。
- 名刺を処分するタイミングが分かりません…。
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名刺を受け取ってから、1年後をひとつの目安と考えると良いでしょう。
仕事を重ねるほど増えていく名刺。広報や営業など、頻繁に人と会う業種の人は、名刺がどんどん増えてしまうことでしょう。
連絡を取ることがなさそうな人の名刺などは、思い切って処分しようという気持ちもわかりますが、捨ててしまうといざ連絡をする必要が出た時に困ってしまうことに。名刺が場所を取るために処分したいというのであれば、名刺情報をパソコン上で管理するソフトを利用するのも有効です。
名刺を処分する場合は個人情報の漏えいにも細心の注意を。名刺は重要な個人情報が満載です。シュレッダーにかけるなど、完全に情報を消去できる方法で破棄すること。
立ち居振る舞いに関するQ&A
- アポイントなしの来訪者を応接室にお通ししたところ、上司から叱られてしまいました。何が問題だったのでしょうか。
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アポイントなしの来訪者は、上司の許可が出てからお通しすること。
来訪者には「お約束はございますでしょうか」などと尋ね、事前に会う約束をしていたかどうか、まずは確認すること。アポイントをとっていない人は社内にお通ししないのが、ビジネスマナーの基本です。
アポイントをとっていない場合は「確認いたしますので、お待ち下さいませ」と伝え、受付で待ってもらいます。そして、上司に来訪者があったことを連絡し、指示を仰ぎましょう。状況によっては、上司が不在である旨を来訪者に伝えるケースもあります。
- 取引先の人や上司など、目上の人と一緒に歩く時に、どの位置にいれば良いのでしょうか。
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社内を歩く場合は、先頭を歩いて誘導します。
自社を歩く際は、取引先の人が道に迷わないように先導するのが基本です。前を歩いていれば、エレベーターのボタンも先方や上司に押させることはありません。
歩く時は、通路のまん中ではなく、通路の端を歩くようにして、後ろにいる人の歩くペースをよく確認しながら案内するように心がけること。
- 取引先の人とタクシーに乗る場合の順番は? 行先は誰が伝えるべきですか?
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取引先の人に先に上座に座ってもらいます。行先はこちらが伝えて。
まず、車のドアが開いたら、乗る人数と行き先を自身で運転手に伝えます。そして、取引先の人を上座(運転席の後ろ)に座るように誘導します。
目的地に到着したら、先に降りてから取引先の人を降ろし、その後でタクシー料金を精算するのが、正しいマナーです。
- 会議室などの部屋に通された場合、どの位置に座っていいのかわかりません。
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案内がなければ、下座に座りましょう。
とくに案内がなければ下座に座ります。下座は入口のドアに近い位置になり、上座はドアからもっとも遠い位置です。
本来、招かれた側は上座に座るのが一般的で、会議室などに案内される場合は上座に座るよう促されるものです。しかし、先方が上座への着席を促すことがない場合は、勝手に上座に座るのも無作法なので、下座に座るようにするのがマナーです。
電話のかけ方に関するQ&A
- 会社名を名乗らず「▲▲だけど、○○さんはいます?」と、同僚宛に電話があった場合、取り次いでも問題ないのでしょうか。
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相手の連絡先を伺い、折り返し電話をする流れにするのが最善策。
会社名を名乗らない相手には「▲▲様、お電話をありがとうございます。ただいま○○は席を外しておりまして、後程こちらからおかけ直しいたします。お手数ですが、ご連絡先をお知らせいただけますでしょうか」と、対応するのが最善策。
相手から「連絡先は○○さんが知っています」と言われた場合でも、必ず確認を。同僚には連絡先と折り返し連絡をすることになっている旨を伝えましょう。
- 打ち合わせ中の人への電話があったので、伝言メモを残しておいたのですが「すぐ知らせてほしかった」と言われてしまいました…。
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電話を待っている可能性も。打合せ中でもメモを渡して電話が入っていることを伝えて。
打ち合わせが白熱した状態だと、つい独断で「今は打ち合わせをしている最中だから、終わってから伝えればいい」と勝手に判断しがち。しかし、ずっと待っていた電話や、すぐ対応すべき内容かもしれません。
電話の相手に簡単に用件を聞きメモをしたら、打合せに邪魔にならないように注意しながら、担当者の所へ行き「今、先方からの電話が入っていますが、どうしたら良いですか」と伝言メモを見せながら知らせると良いでしょう。
メモの内容を見せれば、その人は電話に出る、折り返すなどの対応をするはずなので、流れに従って対応すれば大丈夫です。自分で勝手に判断をしないことが大切。
- 同僚宛の電話がかかってきましたが、本人は新婚旅行で休暇中。先方に休暇の理由を伝えた方がいいですか?
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プライベートなことなので、休暇理由を伝える必要はありません。
同僚に電話をしてきた相手が本人と親しい間柄だとしても、休みをとったことについて理由までは言わないのが常識です。新婚旅行による休暇は個人情報になるので伝えない方が良いでしょう。
電話の相手には「大変申し訳ございません。●●は休暇を取っており、▲月▲日から出社いたします」と、休んでいる事実と出社日をシンプルに伝えれば問題ありません。
出社するまで日数が開いている場合は「よろしければ私どものほうで、お話をお伺いさせていただきますが」と、何か代わりにできることが無いか伺うようにすると親切です。
言葉使いに関するQ&A
- 同僚に「ご苦労様」と声を掛けるのは間違っていますか?
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「ご苦労様」は目下の人に掛ける言葉です。
「ご苦労様」という言葉は、目上の人が目下の人に対して使う言葉です。ビジネスの場においては、同僚は自分と対等な立場にいるので、「ご苦労様」だと、上から目線になるような印象を受けてしまいます。
「ご苦労様」というようなニュアンスで声を掛ける場合は、「お疲れ様です」に言い換えた方が良いでしょう。
- 社外の人と会話をする時に、部長のことを呼び捨てにすることに抵抗を感じてしまいます…。
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社外の人の前では、社内の人間はいくら上司でも下げて表現するのが常識。
自分にとっては上司でも、社外の人と会話をする時には、へりくだった表現をするのは常識的なこと。
社外の人に上司を紹介する場合は、敬称をつけずに「上司の●●でございます」といった表現が適切です。
- 取引先の会社に手土産を持参した時に「部長に差し上げて下さい」と一言添えたのですが、敬語の使い方がおかしいと言われてしまいました…。
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先方の関係者全員を立てる表現を使うこと。
「差し上げる」という言葉は謙譲語です。目上の人である部長に対して使うことは間違いではありませんが、お菓子を渡してくれる取引先の会社の人も、一緒に立てる表現がベスト。
差し上げてではなく、「お渡し願えますか?」と伝えたほうが、もっと良い表現になります。
その他さまざまなシーンでのQ&A
- 仕事の集合時間に遅れそうな時、5分程度ならしなくていいでしょうか。
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遅刻することが分かった時点ですぐに連絡すること。
遅刻は厳禁!たとえ5分でも遅刻に変わりはありません。ルーズな印象がついてしまうのは、社会人としてもかなりのマイナスです。
もちろん交通事情などやむを得ない事情で遅刻してしまう場合もあると思いますが、遅刻することが分かった時点で即座に連絡をして、待ち合わせをしている人に心配や迷惑をかけないようにしましょう。
- 婚約指輪を会社でつけても良いのでしょうか?
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控えめを心がけて。浮かれ気分で見せびらかすのはマナー違反です。
婚約したことでうれしい気持ちはわかりますが、浮かれて華美な婚約指輪をつけるのは、ビジネスマナーに反していると判断して良いでしょう。
職場にはいろんな境遇の人がいるので、婚約指輪を身に着けていることを批判的に見られる可能性もあります。
婚約指輪は大きな石がついているデザインが多く、業務に適しているとは言えません。プライベートで婚約指輪をするのは良いですが、ビジネスの場で見せびらかすようにつけるのは避けた方が無難です。
- 仕事帰りに大切な用事があるのに残業を頼まれた場合、どうしたらいいですか?
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残業を頼んだ上司に用事があることを伝えてみましょう。
どうしても外せない用事があることを上司に伝えて、いつまでにその仕事を仕上げれば良いのか、期限について確認しましょう。
どうしても今日中にやらなければならない仕事であれば、ほかの人に代わってもらっても問題がないか上司に確認をした上で。代わってくれる人を探しましょう。